2011年05月22日

救急車に乗る-2

 救急車というのは二人くらい運べるのかと思ったけど、意外と狭く一人でいっぱい。仰向けに寝かされて頭の上には心電図とか血圧とかの表示板。付き添いの奥さんが横向けに座っているのが見えるくらいで、外の様子は全く分からない。鼻に酸素を入れられたり問診が続いたり20分ほどしてやっと出発。無線での名大病院とのやりとりが聞こえる。

 乗り心地は最悪、車重がありすぎるのだろうバネのごつごつが直接伝わってくる。救急車だから空を飛ぶような乗り心地を想像していたのだけど。名大まではタクシーでも10分ていど、救急車ならもっと早いという期待は裏切られた。交差点のたびに「こちら緊急自動車、通ります」といった放送をしているけどちっとも早くない。

 やがて病院に到着ストレッチャーのまま緊急の診察室まで運ばれる。眼鏡を取られ奥さんは外で待つようにと言われ、救急から名大のERへの引き継ぎがなされる。このあたり映画と同じ。ただそのあとはまた救急隊がやったような各種計測、採血それも腕の静脈だけでなく足の付け根の動脈もとる。パンツがきれいだったかと焦るような場面。あとは車いすではるばる運ばれて胸のレントゲンとか。吐き気止めの治療など無く自分たちが勝手にやりたい検査をしているだけと言った感じ。研修医には格好の実験台のようなもの、年配医師の指示を受けながらやっている。

 結局2時間もかけて検査して治療はなく、「息苦しかったのは酸素過剰になったため」とか説明されておしまい。治療と言えば奥さんがずっと手や足をマッサージし続けていたことくらい。医者より奥さんの方が精神的にはずっと助けになる。請求書を渡されて帰りに自動機でカードで支払い。6710円、むろん保険が効いている。でも大変な目にあって健康診断しただけみたいだった。

 帰りのタクシーはまだ苦しかったけど吐き気もお昼にはおさまり食事もとれた。ハルシオンとかマイスリーアモバンまで飲んで寝てしまう。大騒ぎが嘘のよう。

 でもまた痛感してしまった。「うちの奥さんは頼りになる」

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