2011年07月04日

トヨタ週末操業

 この土日から自動車業界が木金休み土日操業に入った。特に大きなトラブルもなくメディアも好意的に取り上げている。新聞などでは少しふれられているが、トヨタにとってはこれは初めてではない。24年前に一度経験している話だ、その時は世論をあげて大ブーイング、トヨタ自慢の思いつきもあえなく数ヶ月で打ち切り二度と話題になることもなかった。

 それは1987年の夏のことプラザ合意のあとの急激な円高の対策でトヨタが利益確保のために苦し紛れに思いついたのが休日電力利用、要はトヨタ流究極のコストカット戦術だ。発端は首脳部が考えたのか従業員の創案制度によるものか分からないが、突然トヨタ単独で言い出したのは確か。関連部品メーカーのコンセンサスなどもなし、当然仕入れ先のIBMなどの意見なども聞いていない。部品メーカーなどはトヨタだけが相手ではなく三菱やホンダも納入先なので木金土日の操業計画が立たなくなってしまう。IBMなどでも担当者レベルではトヨタ休日に合わせればなんとか休めるがトヨタ以外の部署も担当する人間や、当時のボクのような中間管理職は休みが無くなってしまう。もっと大迷惑だったのが商店街や交通機関。大混乱になったのが警察、三河地区の信号は自動車メーカーの操業に合わせ土日と平日の信号系統の切り替えを行っていたが突然トヨタだけが操業日を変えてしまったためにそこら中で大渋滞を引き起こすはめに。さすがにこれはいかにトヨタ城下町と言われる三河地区でも世論に火がついた。メディアも一企業の利益追求のために公共の利益が犠牲になってもよいのかとの大ブーイングキャンペーン。さすがのトヨタも公の場で謝罪、このとんでもない思いつきも一夏の珍事で終わりになったけど。あのときは本当にほっとした、連続した休日出勤でかなりばてていたから。

 で今回はどうなのか、業界一丸と言うことで部品メーカーも混乱がないようだし、交通問題も混乱を聞かない。これはこの24年のコンピューターの発達で信号の自動制御、交通ダイヤのコントロールも容易になったこともあるだろう。前には話題になったスーパーの操業日も最近は年中無休、深夜営業があたりまえになってたいした問題ではないよう。やはり国を挙げての節電対策とあって世論に火がつくこともないしメディアもおおむね順調の報道しかしないようだ。でも本当に保育園とかうまくまわっているのかな?

 24年で世の中そんなにうまくいくようになったのかな、と多少疑問を感じながらもツイッターをながめているとやはり休みが無くなったという愚痴が氾濫している。サービス業や中小の下請け企業はトヨタや自動車関連企業だけを相手にしてる訳じゃないものね。週末操業でもサマータイムでもきっと誰かが無理してるんだろうね。みんながくたびれてしまう前に元通りとはいかないまでも異常事態は抜け出したほうがいいんじゃないかな。サンデー毎日の年金生活者には関係ない話だけど。

Posted by たあちゃん at 16:04│Comments(0)TrackBack(0)

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