2011年10月13日

山陰旅行_4 松江、境港と足立美術館

 玉造温泉の朝食は会席の純和食、現在もっとも苦手とするパターン。焼き魚だけちょっとつまんでお終い。フルーツもジュースもコーヒーもないまま松江に向け出発。

 松江は(地図で見ると)松江半島の先っぽなぜこんな不便な所に城をなどと思っていたけど、実際行ってみると宍道湖に大きな橋が架かっていて内陸とはそんなに距離がない。戦になれば橋を落とせば宍道湖が大きな堀になる感じなのか。松江城は折しも開府400年ということでおおいに賑わっていた。確か一昨年が名古屋開府400年だったから、家康は関ヶ原以降恐ろしいスピードで築城、幕府支配を進めた感じになる。いままでお城を見ると天守閣へ登るのはあきらめていたけど今回6階建ての階段登りに挑戦、途中挫折しかかりながら奥さんに助けられ無事登頂、やはり戦災を免れた木造の城は素晴らしい。足腰より肺に負担が来るのが問題なのでマイペースで登るのが重要。石見銀山などは団体行動なのでやはり無理だったのかも知れない。これに備えてマンションで階段登りやったのも良かったのかも知れない。余談になるけど名古屋は開府400年のイベントのひとつで政府の失業対策費を使ってフリーターを集め「名古屋おもてなし武将隊」というのを作って、これがまた全国的に有名になってしまったのだけど、政府の補助が2年間のため来年からは予算が付かない。市の予算も無いらしくこの処理をどうするかも悩みの種らしい。スケールは違うけど名古屋の象徴のようなテレビ塔も地デジ化のせいでこのままだと取り壊される運命とか。維持費は市民運動でカバーできるような額ではないので、市も頭を抱えている状態とか。

 松江から半島を先まで行って大きな橋を渡るとそこはもう鳥取県、境港。なんでもないイカ釣り船の漁港なのだけど去年のゲゲゲで様変わりしてしまったようだ。駅前からちょっとした商店街までの800メートルほどのメインストリートの両側にブロンズ製の妖怪の像が所狭しと並んでいる、これが水木しげるロード。キタローとかネズミ男とかよく知られている物が10体か20体くらいあるのかなと思っていたのだけど、いまやなんと120体になっているとか。水木しげるのオリジナルは80体ほど後は一般のひとの創作とか。一年前のテレビなどでは土産物屋もないし観光客用のトイレも駐車場も無いとか聞いていたけど、とんでもない。有名なブロンズの前には必ず店があるし、小さいながらも真新しい公衆トイレや観光バス用駐車場も整備され結構な数のバスが止まっている。連休最初の日だからかも知れないけどキタローやネズミ男
ねこ娘などの着ぐるみが出て写真などのサービスにつとめている。とにかく石見銀山のさびれた様子とは真逆のいまブーム真っ盛りの状況。お客も若い人が多い、そりゃそうだろう年寄りはキタローの漫画など知らないし妖怪を見ても何も感じないだろう。でもこの人気いつまでも続くのだろうか。水木しげるもそう長くないだろうしキタローの新刊が出るわけでもアニメの再放送があるわけでもない。小さな子供が夢中になるのはマジンガーやウルトラだし、2,3年後には忘れられて石見銀山のようになってしまうのではないかと心配でもある。

 昼食は境港名物という「かにとろ定食」ほぐしたかにの身をとろろであえてごはんに載っけるだけのシンプルなもの。ごはんはしんどいけどとろろは食べやすくて助かった。

 昼食後は安来に移動最後の足立美術館へ。たっぷり2時間というのが売り物のツアーだったけど、音声ガイドを借りて廻ったらとても2時間では足らない。幸い横山大観とか魯山人は別コーナー仕立てにしてあるので助かった。でも一番興味があったのはやはりお庭。不思議な2次元庭園という感じ。あえて2次元と言うのは散策して楽しむ庭園ではないということ。庭を見るのは美術館のガラス窓からあたかも展示してある絵を見るように鑑賞するようになっている。その見える範囲では実に見事な構成になっている。よく京都のお寺で窓越しにお庭を見る趣向があったりするが、まさにそれだ。そのため観客はお庭に出て楽しむことは許されていない、これは庭が荒れないようにとの配慮なのかと思っていたのだけど最後になってとんでもない思い違いだと分かった。

 2次元庭園の種明かしは、庭園がほとんど借景で構成されていること。美術館自体の敷地はそれほど大きなものではなく庭園は美術館周りの庭(近景)とそこから見える景色(遠景)を買収することで成り立っているらしい。だから庭に出ると庭と借景の間にある舗装道路とか畑が見えてしまい観客はとんでもなくがっかりすることになるらしい。別にだから悪いというわけじゃない、設計者が見せたいと思った2次元の風景を楽しめば良いだけのこと。それを実現するために邪魔な電信柱の立っていた遠くの山をまるごと買い取ったという美術館の情熱を買うべきなのだろう。でもやはりぼくは3次元空間を楽しめる京都のお寺の方がすきだ。季節を変えてまた、という声もあるけどぼくは一度で充分という気がしている。

 4時頃足立美術館をあとにして一路岡山へ、18時26分の新幹線に。考えてみれば石見銀山へは行かなかったものの3日間ほとんど歩き通して腰も痛くならなかった。特に薬の副作用も無かった。旅の内容がどうのこうのよりトラブルも無く無事終了できたことの方が僕や奥さんにとっては意味がある。

 今二人の話題は次はどこへ行こうかということ。いまのところ四国が有力だけど、高校の修学旅行で一緒に行っているものなあ(笑)









 

Posted by たあちゃん at 16:35│Comments(1)TrackBack(0)

この記事へのトラックバックURL

http://nakanotakashi.mediacat-blog.jp/t71751
この記事へのコメント
バリトンの女性の心をくすぐる魅力ある低音だったのでしょうか~
Posted by 時計レプリカ at 2013年07月02日 16:04